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1本の無垢な大臼歯

こんばんは。院長の稲葉です。
私の診療終了後の仕事は、歯型から模型を作ったり、仮歯を作ったり、入れ歯のデザインを考えたりしています。いわゆる残業ですが、一人になれる時間なので大切です。朝もスタッフより早く到着して、当日のカルテを見たり、書類を作ったりしています。
今晩も、いつものように歯科技工所へ発注する模型を作っていました。ところが、この方の大臼歯に目が止まり、感動してしまいました。20歳男性の上顎模型です。第一大臼歯(奥から2番目)がとても綺麗で、解剖学的な形態が見事です。まるで、歯の解剖学の教科書を見ているようです。

1本の無垢な大臼歯
1本の無垢な大臼歯

歯には複雑な溝があり、山と谷があります。この山と谷にもちゃんと意味があります。噛み砕いた食べ物がこの溝を通っていきます。一番大切なのは、噛み合わせの道しるべを担っています。上下の歯を合わせた時、歯を横にずらした時、ギリギリやった時など、歯が行き先を誘導しています。

1本の無垢な大臼歯

こんな感じで歯が動く道が決まっています。なので、我々歯科医師が安易に大きく削ったり、適当に被せ物を作ってはいけないのです。この誘導面を壊してしまうと、歯にストレスが掛かり、顎の不調も出て来てしまいます。

1本の無垢な大臼歯

私は、患者様のセラミッククラウン、ブリッジや特殊義歯等を作る時はほとんど「咬合器」という器械に歯の模型を取り付けます。この咬合器は、取り引き先の技工所も持っています。患者様の歯の情報を共有できる大切なツールです。
1本の歯を大切に。手を抜かずに。そして精密に。

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